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外国人労働者の受け入れにあたっての所長の雑感

 

今、台湾や韓国との外国人労働者の人財獲得競争に日本が負けつつあり、わが国の経済界は危機感を強めています。
わが国が労働力として外国人を受け入れたいと思うなら、まず、労働条件をわが国の正規労働者と一致させる必要があります。

 

派遣労働者やパートタイマー労働者等の低賃金で外国人労働者を迎え入れたいと考えるなら、やがてわが国は人財獲得競争には負けることと思います。
そして、労働力を輸出していた感のある中国にも負けることと思います。

 

現在、中国は国家移民管理局を発足させ、外国人労働者を受け入れる日に備えています。
中国共産党は2020年にいくらかゆとりのある社会の実現、いわゆる「小康社会」をめざすとして中国の経済や社会構造を大きく転換しようとしています。

 

そして、農民を強制的に農村にしばり続けていた「農業戸籍」も撤廃し、農村出身者も都市に住むことが可能となりました。
従来、農村労働力の都市への流出は禁止され、それでも都市に職を求めて流出する者は、いわゆる「農民工」として都市において差別され、中国経済の成長を支える低賃金労働者として利用されてきました。

 

2017年に開催された中国共産党第19回大会は、「新時代の中国の特色ある社会主義」という理念を打ち出し、2035年には社会主義の現代化を実現するとしています。
要するに、中国共産党は都市と農村の経済格差や社会格差をなくし、農民の収入をあげ、農民工を都市の市民にし、その賃金をあげ、都市と農村との二重構造をなくそうとしています。

 

大きな富を得る資本家や投機家の存在をみると、中国は本当に社会主義の実現を目標にしているのかと疑問にも感じますが、農村の経済力を引きあげ、農民工を市民化し、全体として都市住民の経済力を平等化するとの中国共産党の方針は、少なくとも資本主義国家のめざす経済政策とは違うものとはいえます。

 

農民工が市民化すれば、やがて中国でも安あがりの労働者はなくなり、外国から労働力を輸入しなければならなくなる日が到来するのです。

 

外国人労働者を中国政府がどのように処遇するのかみものですが、国家と中国共産党は、一体なのですから、外国人労働者を低賃金で酷使することは、中国共産党が社会主義をめざすと言っている以上できないものと思われます。

 

チベット人やウィグル人への弾圧、南シナ海への中国海軍の軍事的進出等を考えると、何故、この国が社会主義なのかと考えこんでしまいますが、しかし、底流では社会主義的方向の経済政策をとっていることも事実ですので、わが国の経済界や政治家もこのことを忘れてはなりません。

 

今、国会で外国人労働力の件が問題になっていますが、中国の経済構造の変化をみることや、外国人労働者を受け入れるには、より一層、人権が保障され、日本国憲法25条の生存権保障規定が外国人にも平等に適用される観点を重視した議論が必要になります。

 

 

そうしなければ、少なくとも外国人労働者は日本に来ることはなく、例え来たとしても労働条件のよい他国に移ってしまうものと思われます。

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